雑念フランシア

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「アネクドット / ももすももす」がすごい

TVアニメ「旗揚!けものみち」のエンディングで聴いて、なんとなくいいなと思っていた。
それからしばらくたってアルバム「彗星吟遊」が出て、他の曲はこの曲ほど惹かれなかったが買ってみた。
まぁアルバムの中に他にも気に入る曲があるといいなぁと思っていたらどんどん嵌ってしまった。

特に、前からいいなと思っていたアネクドットは聴く度に新たな発見とか、引き込まれる、もう一度聴きたくなるものがたくさんあって、何度も繰り返し聴いてしまう。

そんなわけで熱を帯びてる今の思いを書き留めておきたくて、思いのままに書く。
聴く前に読むとネタバレになってしまう部分あるかもしれないのでご注意を。


まずはサウンド面。
イントロからいきなりキャッチーな、ストライクなギターリフで一気にワクワクしてくる。
それもつかの間、すぐ歌が入ってくる。TVサイズ編集かと思っていたら、フルでも印象的なぐらいすぐ歌が入る。

声は脱力系というか癒やし系というか。
わかりやすく言ってしまえば相対性理論系(あまりこの例え、こう括るのは好きじゃないが、分かりやすい・伝わりやすいのも事実)
この少し浮遊感のある声とギターリフに、しっかり刻むギターが支える。

ここで意外なのがベースとドラム。密度が濃くてフレーズが忙しい。最初はなんか違和感、合わない感じがしていたのに、繰り返し聴いているうちに後述の歌詞も相まって、焦燥感とか切ない感じを演出してい
る。東京事変の遭難とかのあの感じ。

曲自体はシンプルながら、引き込む、引き込ませる、癖が強い、フックがある要素が散りばめられていて聴く度に新たな発見がある。
一曲があっという間で、えっ、もう一回ってなる。


続いて歌詞。
普段そこまで歌詞に注目することはあまりないんだけど、この曲はやたら引っかかった。

聴いてると普段の話し言葉では使わないような、
意味がわかるようでわからなかった(後で辞書で調べたりした)、

 揺籃、寂寞、篝火

比喩が文学的で抽象的な

 獣のランプ、寝癖がついがペルシャ猫、言葉の花は綿毛に

色とか風景がぱっと頭に浮かぶ

 去年と違うシャツシャツ、伸ばした髪、波間の赤さ、焼き付く空

こういう分からなくて引っかかったり、ちょっと考えたり、ぱっと頭に情景が浮かんだりを繰り返しながら、1曲の中で物語のように進行していく。

歌詞だけで見返すと言葉の羅列、言葉遊びのようにしか見えないのに、曲の中で聴くと、どの言葉も印象に残って、はっきりとした物語ではないのに物語を追っていく感覚になる。
でもはっきりしなくて、サウンドも相まって、さっき追った物語は一体なんだったのだろう、心に残ったこの感じはなんだったのだろう、それでまたもう一回聴いて・・・


この1曲でこんなになっているんだけど、アルバム「彗星吟遊」の他のどの曲もこういうフックが散りばめられていて聴き応えがあって大変。
あっ天才だって思った、いまとても気になるアーティスト ももすももす 


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