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【レビュー】トリニティセブン エンディング・ソング Theme1 「BEAUTIFUL≒SENTENCE」

アニメのキャラクターソング、という括りだけで評価するにはもったいない完成度。

アニメの内容とか、キャラクターとか、声優とかそういうものは抜きにして、音楽的な内容だけでこの曲がすごいんだという思いを誰かと共有したいので、だらだら書いてみる。

まず歌抜きのインストに注目。シンプル。
テクノ系にかわいい声を合わせる楽曲ならPerfumeとかが思い浮かぶ。ボーカルのメロは割と分かりやすく単純で、インストが派手なSE、シンセをたくさん重ねて華やかな感じにしている。
対してBEAUTIFUL≒SENTENCEの場合、インストはシンプル。でも聴いててスピード感、緊張感があって華やかなのは、2人の掛け合いを駆使した複雑なボーカルのメロにあると思う。

本当に複雑で、これを歌を専業としていない声優さんに歌わせるんだから、なんかもういろいろとすごい時代。そもそもボーカルのメロとして作っていないところを、ちょっと調整してボーカルのメロにしちゃったんだじゃないかと思うくらい。

早口でメロディアス。ボーカルのメロとは思えないほどの密度。
緊張感のある2人の掛け合い。テンポ150よりそうとう早く聴こえる。目まぐるしく入れ替わりながら、途中途中、サビできれいなユニゾン。1番と2番で少しずつパートを変えてる芸の細かさ。
これだけ難しいことを、アニメのキャラクターを再現しながら歌っている。感情豊かなボーカルと、おとなしいボーカルのいいところをうまく使い分けて曲全体を構成している。声優さんも大変な時代になったなぁとしみじみ感じてしまう。

ボーカルはこの辺にして、次は曲の構成。
構成は王道。イントロ → Aメロ → Bメロ → サビ → Aメロ → Bメロ → サビ → Cメロ → シンセソロ → サビ。
後半のサビの後、Cメロが入って、シンセソロが入って、サビで締める。大サビみたいなものを入れず、Cメロでまとめてシンセソロに入っているので、くどい感じが無く、4分間飽きずにワクワクしたまま聴ける。

キーと転調について。メロはキーがBbm、サビだけキーをDに上げている。後半に全体を転調させて占めるパターンは多いけれど、全サビだけ転調させるっていうのは新鮮な感じがする。サビのコード進行はアニソンも、そうでない曲も、多くの名曲を生み出し続けている王道進行(IV7→V7→IIIm7→VIm)。
この転調と王道進行、ボーカルのきれいなユニゾンでサビに入った時になんともいえない爽快感を感じる。サビの後半はこのコード進行特有のちょっと寂しい感じを少しだけ残すから印象に残る。

ほか、細かいインストのポイントについて。
ついつい聴いてしまうベースラインなんだけど、スラップがあるポイント、ポイントにしか入っていない。打ち込みのシンセベースをメインにしつつ、効果的なアクセントになるポイントにだけ裏箔のプルを入れている。スラップが続くと聴いてる側は意外と疲れたりするんだけど、これは聴いててとても心地よい。
後半のサビでの音の重ね方もいい。メロで出てきた音、ソロで出てきた音を、後半のサビに重ねていく手法。よくある手法ではあるんだけど、ここまでちゃんとはまっているといいものだなと改めて感じた。

最後に、
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND  TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND - Wikipedia というテクノポップユニットが作曲しているそうです。結成1995年ということで、アニソンらしくない、でもしっかりアニソンをしているところが新鮮で印象に残ったのかもしれない。

書いてから気づいたんだけど、制作の裏話が 石川智久×トリニティセブン期間限定 (@ishikawa_limite) | Twitter にあって面白い。


というわけで、ぜひ聴いてほしい。

トリニティセブン エンディング・ソング Theme1 「BEAUTIFUL≒SENTENCE」[CDのみ]