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【レビュー】Hummingbird in Forest of Space / 吉井和哉

正直、ソロ活動での吉井和哉にはそれほど興味をそそられなかった。
at the BLACK HOLEは 8 からのつながりと、アルバム全体を包む暖かい暗闇のような雰囲気が好きで、その頃はソロ活動にも期待していた。
でも、次作のWHITE ROOM以降、なにか開かれたというか、アクやクセが無くなったような感じで、遠くに行ってしまったような印象を受け、一応買ってはいるけどそれほど聴きこまなくなっていた。


で、ふと思い立ってちゃんと聴こうと思って選んだのがこのHummingbird in Forest of Space。
このアルバムはどこかat the BLACK HOLEのように、なにか惹かれる雰囲気がある。
ミドルテンポの曲を中心としていて、ほかのアルバムに収録されているようなスカッと、カラッとしたストレートなロックは少なく、全体的にどこか湿ったような感じを受ける。それがなんだか心地よい。
考えに考えて、追い詰めて作り上げたことから出てくる湿った雰囲気ではなく、肩の力を抜いて自然と出てきた結果がその湿った雰囲気になったような、そんな印象。
特にラストの雨雲はシンプルで飾らない曲なのに、ほかのアーティストでは聴けない個性と心地よさがある名曲。


ミドルテンポの曲が中心でも退屈せず、リラックスして作ったんだなぁと思っても、しっかりと個性と雰囲気が表れている。
ロックスターとしての吉井和哉もかっこいいが、私はこういった自然体の吉井和哉の音楽に期待したい。


Hummingbird in Forest of Space(通常盤)
吉井和哉
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) (2007-09-05)
売り上げランキング: 145,515


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